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新宿区ダンボール絵画研究会

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[Cardboard-Paintings-Meeting :384] 曽我高明さんより
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    On 2005年 10月 13日 , at 0:09 AM, Eiichiro Fukase wrote:

    現代美術製作所ディレクターの曽我高明さんが、感想を寄せてくださいましたので、ご本人の承諾の下に転送いたします。(深瀬)

    ///////////////////////////////////
    ダンボール

    ダンボールアートと言えばまず日比野さんが
    思い浮かびますが、
    ここで触れるのはもうひとつのダンボールアートの話。

    新宿エコギャラリーで開催中の
    ダンボールアートの展覧会を観てきました。ミクシイでも
    おなじみの、ふかぴょんさんによる渾身の企画。
    大変に資料的価値の高い、興味深い展示でした。

    10年近く前、新宿西口地下街に存在した
    ホームレスによるダンボールハウス。
    バブル崩壊だとか、リストラとか、いろいろな理由で
    ここに集まって生活をしている人たちが、
    一種の共同体を作っていました。

    もちろん公共の場所の不法占拠でもあるので、
    当局とは、ことあるごとに衝突する。
    都庁も新しくなったし、目障りな存在は、どこかに
    行ってほしい。青島都知事の命令で、地下通路に
    動く歩道が設置され、そこにいたホームレスが
    強制的に移動させられたりした。

    そのダンボールハウスに、若いアーティストが
    絵を描いたんですね。

    お花や風景画ではない、通行人を威嚇的なまなざして
    ギロッと睨みつける巨大な目玉や、
    大きな口を開けて歯を剥き出した猛獣などなど、
    ケバケバしい色彩で、エネルギッシュに描き出した。

    ホームレスの存在はれっきとした社会的現実なのに、
    世の中の人はできれば見たくないし、見ないで済ませたい。
    社会的に不可視の存在でいてほしい。
    当局にもそのほうが都合が良い。

    どっこい、そうはいかねえぞと、アーティストたちは
    わざと目立つ表現でダンボールのまちを彩った。
    これは確かにとてもインパクトの強い活動でした。

    ぼくは当時その脇を通って、何枚かそっとカメラの
    シャッターを切り、後にそれらの写真を、
    時々非常勤をやっているM美大の授業で学生に
    見せたりしてきました。

    実は1920年代の日本のアバンギャルド運動に興味があって、
    当時のことを調べていたことがある。

    大正12年の関東大震災の後に、
    被災した跡地に続々と生まれたバラック建築、
    そのバラックを一群のアーティストたちが
    ペンキで彩った。

    その名も「バラック装飾社」。

    二科会の若手アーティストと、
    東京美術学校(芸大の前身)のデザイン系の学生が
    チームを作り、東京都内で腕を奮った。
    それを取りまとめていたのが、後に考現学で有名になる
    今和次郎(こん わじろう)。

    バラック都市の生活を、少しでも快適なものにしようと
    ある意味でアーティストによる震災ボランティアの
    おもむきもある活動でした。

    しかし、制作はけっこう過激。

    彼らの作品、神田の「東條書店」では、
    東南アジアの未開民族の装飾をダダイズム的に翻案して
    ファサードを塗りたくった。
    銀座の「カフェーキリン」では、巨大なキリンが
    通行人を睨みつけ、店内は同人たちの壁画やレリーフで
    飾られ、まるごとインスタレーション空間に。

    このバラック装飾社と同じ時期に活動していたのが
    村山知義(むらやま ともよし)率いる、
    この時代を代表するアバンギャルド・グループの「マヴォ」。

    神田の芳賀書店の看板は、左右比対称のダダ的デザイン。
    赤坂の「マヴォ理髪店」は、壁一面が迷彩塗装と
    みまがうような仕上がり。
    神田の八百屋のデザインは、偶然そばを通った分離派の
    建築家(今でいうならみかんぐみか、アトリエ・ワンか)をも
    ビックリ仰天させた。
    ついには溜池に映画館まで作ってしまう勢い。

    大正13年の帝都復興創案展には、建築家の団体に混じって、
    マヴォも67点を出品。そのほとんどが、廃材を使った
    オブジェやインスタレーション作品(もちろん
    当時はそんな言葉はありません)でした。

    てなことを講義で話しているときに、
    例のダンボールの作品の写真を紹介していました。

    これらは時代背景も、文脈も、アーティストの関わり方も
    もちろん大きく異なります。
    でも、どこか深く通じるものがある。

    それを確信したのは、新宿のダンボールハウスに
    関わったアーティスト武盾一郎が、阪神大震災の後に
    神戸で「しんげんち」という活動に参加したことを
    知ってからです。

    もちろん絵の描かれたダンボールの写真を
    見せたからといって、
    べつにきみらも同じことをしましょうと、
    学生をたきつけているわけではない。

    あの頃、
    新宿地下街に動く歩道が出来たのと同時に、
    対面のビルの壁際には、ホームレスが寝転んだり
    できないように、奇妙な形のオブジェが
    たくさん取り付けられました。
    円筒形で、先が斜めになっているので、座ることも
    できない。

    相手がデザイン科の学生なので、

    社会的に存在しているホームレスを、
    見えない場所に追いやるために、こういうデザインを
    つくる人がいると思うと、
    一方で、わざと彼らの存在を目立たせるように
    ダンボールに絵を描くアーティストがいる。
    みなさんはどちらにシンパシーを感じるでしょう?

    というような話をしているのですが。

    とにかく、長い間ぼくのなかで気になっていながら、
    ほとんど無名のままでいたアーティストたちの活動に
    スポットを当ててくれたこの展覧会。
    観れて良かったと思いました。

    曽我高明
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